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冷たくも、温かい涙があふれる映画「劇場」

目次

概要

公開日:2020年7月17日
配給: 吉本興業(もともとは松竹、アニプレックス)
監督: 行定勲
脚本:蓬莱竜太
キャスト:山﨑賢人、松岡茉優、寛一郎、伊藤沙莉、上川周作、大友律、井口理 (King Gnu)、三浦誠己、浅香航大

2020年4月17日に松竹、アニプレックスの配給で公開予定であったが、昨今の事情により公開が延期となり、公開時期が未定だったところを吉本興業が配給になる形で2020年7月17日に公開となった。

本作は、劇場公開と同時期にAmazonプライム・ビデオでも配信が開始され、実写の邦画が劇場公開と同時に全世界配信される初の試みとなった作品でもある。

原作は、お笑いコンビ・ピースのボケ担当である又吉直樹の第二作目となる小説であり、累計発行部数が50万部を超え、恋愛純文学として異例のベストセラーとなっている。

監督は、第25回日本アカデミー賞作品賞・最優秀主演男優賞・最優秀助演男優賞・最優秀助演女優賞を受賞した「GO」や、「世界の中心で、愛をさけぶ」などを過去に手がけてきた、行定勲が務めている。

主演は、山崎賢人と松岡茉優。その他に、寛一郎、伊藤沙莉に加え、King Gnuの井口理というキャスティングである。
正直、主演の二人はこのキャスティング以外考えられないというほど役にはまっており、他のキャストなど想像ができないほどである。

舞台挨拶で、行定監督は本作のキャスティングをするにあたりかなり難航したといっていた。
確かに、20代でぼさぼさのロン毛に無精髭が違和感なく似合う俳優を想像するのは、なかなか難しいと思う。
まして、青春恋愛映画に常連の山崎賢人をキャスティングするというのは、チャレンジだったと思う。

だが本編が始まってから、一度も違和感なく観ることができたので、このキャスティングは間違っていなかったのだろう。
同性の僕から見ても、かっこよくみえた。

あらすじ

高校の頃の友人と劇団「おろか」を立ち上げ、作家兼演出家として活動している永田(山崎賢人)は、前衛的すぎる内容なため客足がなかなか伸びず、その日暮らしをしていた。
そんなある日、自分と同じスニーカーを履いている沙希(松岡茉優)をみかけ、ナンパのような形で声をかける。
戸惑う紗希であったが、優しすぎる紗希の性格故、放ってはおけず、一緒に喫茶店に行くことに。
そこで、紗希が女優を目指し上京してきたことを知る。
劇作家の永田、女優志望の紗希。
お互いに惹かれあいながら、二人の恋が始まる。



見どころ

本作の見どころは、小説から溢れ出てきた、数々の名台詞である。
徐々に変わっていく永田と紗希の関係を、見事に名台詞で彩っている。

ネタバレにならない程度にいくつか紹介したいと思う。

永田が紗希をデートに誘うシーン

永田が紗希をデートに誘おうと友人の野原に相談するシーンで、
「デートってどうやって誘うの?」
というメールに対し、
「家具を見に行きたいからついて来て、と言えばいい」
という返事は見事であった。

紗希の口癖

紗希が口癖のように「ここが一番安全な場所だよ」と言っていた。
夢や恋に悩む二人にとって、二人にしかわからない独特の雰囲気を表現している。

 

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僕が一番好きなシーン

終盤に迎えるにつれて、2人の関係性にも変化があり、互いに惰性で付き合ってることに気づき始めてきてた。
そんな時に、自転車で2人乗りをしながら永田が独り言のように言う長台詞が、今の関係性を体現しているように見え、印象的であった。

永田「ここ右に曲がったら交番あるから、気をつけんとね。
やばそうだった紗希ちゃん、ちょっとだけ浮いて。
注意されたら、浮いてるので2人乗りじゃないんですよって答えるから。
いける?」

紗希「…」

永田「紗希ちゃんは後ろで好きなラップ歌ってて。
あ、覚えてる?ほら。
お台場のゼップでライブみたでしょ?
二人とも汗だくになってさ。
帰り道、他の客も汗だくになってて、それみて紗希ちゃん、
みんな幸せになりますようにって言ったのよ。
その時はほんと、紗希ちゃんのこと神様だと思ったよ。
優しいなぁって。俺幸せだわぁって思った。
最近ちょっとわかるんだよ。ほんとにみんな幸せになったらいいって。
紗希ちゃんに初めて会った時も、紗希ちゃんのこと神様だと思ったよ。
俺に殺されるって思ったんでしょ?逃げないとそうゆうときは。
俺、あの時は不安定で死にかけてたからね。
でも、死にかけてるって感じるってことは、生きたいって願ってるってことでしょ?
ちょっと哲学だけど。
紗希ちゃんいなかったら、マジでやばかったよほんと。
だから…だからでもないけど、俺の才能が足りないからね。
俺ずっと一人でしゃべってるけど大丈夫かな。
神様ー!後ろ乗ってますか?」

そっと袖をつかむ紗希。そのまま永田に寄り添う。

永田「寒くない?疲れてなかったら桜見に行こう。
あの、緑道のところ。今日は人すごかったよ。でもこの時間だったら誰もいてないでしょ。
いこ!」

黙ってる紗希。

永田「行こう。今年もう桜見た?まだでしょ?
いいのみせるよ。まだみんなよー」

 

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無理に取り繕って、それが今だけの優しさだって気づいてても、その優しさがうれしくて、でも後悔してしまう、そんなシーン。

音楽と相まって、ほんとに良いシーンであった。
もしかしたら、誰かにとっては寂しくもあり、心がきゅっとなるようなシーンなのかもしれないが、僕はこのシーンが一番好きである。



まとめ

「火花」の時もそうだったけど、台詞一つ一つがリアルで、人間味があって、又吉直樹という人間の人生をみているような感覚にもなる。

夢を追うこと、恋をすること、生きること。
楽しいこともあるけど、同じだけ辛いこともある。

お笑い芸人になるという夢を追い続けた人だから書ける物語であると思う。

ラストシーンは鳥肌ものである。

是非とも原作も読んでみたくなった。

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画像引用元:公式ページ

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