共感が苦しくもあり救われるときもある、そんな映画「愛がなんだ」




作品紹介


公開日:2019年4月19日
配給:エレファントハウス
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織、今泉力哉
キャスト:岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、江口のりこ

僕の周りで反響が多く、劇場で観たかったけど観れなかった映画。
NETFLIXやAmazonプライムで配信してはいないが、何かと話題になっていたので課金してみてみた。

原作は角田光代。
第35回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む10冠を獲得した「八日目の蝉」や、これまた第38回日本アカデミー賞で宮沢りえが最優秀主演女優賞を受賞した「紙の月」など、角田光代の小説は何度か映像化されており、その映像作品もかなりの高評価を得ている。

本作の「愛がなんだ」も第31回東京国際映画祭・コンペティション部門に出品された。
監督は30代という若さで、数々の話題作を手掛けている今泉力哉。
ここ最近では、年に1本のペースで作品を出しており、僕の周りでは何かと話題になっている。もしかすると芸術系の大学の同期たちの中で話題になっているので、その層に響いているだけなのかもしれないが…。
だが実際、「名探偵コナン 紺青の拳」や「アベンジャーズ/エンドゲーム」など、名だたる作品が公開されていた2019年のゴールデンウィークに連日満席、立ち見続出の状況を作り上げ、10代後半〜30代の女性やカップルを中心にSNSや口コミで評判となり、独立系の低予算映画では異例のロングランヒットとなった。
余談ではあるが、今泉監督は映画業界に入る前に、大阪NSCに通っていたこともある。そういった経験が、サブカル系界隈での評価をもしかすると高くしているのかもしれない。

本作の主演は岸井ゆきのが務めた。正直、何度かドラマや映画で観たことがあるくらいの印象でしかなかったが、本作を観て彼女の印象が変わった。僕は岸井ゆきのという女優がいることを認識した。
共演は、今を時めく成田凌、元乃木坂46の深川麻衣、一癖ある若葉竜也、一癖どころではない江口のりこなどがいる。

引用元:公式サイトより

内容

岸井ゆきの演じる「テルコ」と、成田凌演じる「マモル」が織りなすリアルな恋愛模様を描いている。

28歳・OLのテルコは、友人の結婚式で出会ったマモルに片想い中であった。
マモルのために人生をささげており、マモルからの連絡をただただ待ち、呼ばれればすぐに駆け付け、体を重ねる日々であった。
そんなテルコはマモルにぞっこんのあまり仕事をクビになってしまう。
一方、テルコにはそんな態度をみせているマモルは、個性的な服装をしガサツなすみれ(江口のりこ)に想いを募らせているのであった。

この、テルコとマモルの関係がなんともリアルで、SNSや僕がよく利用している映画のレビューサイトでも高評価を得ていた。
一見、テレコの恋愛依存というかマモルへの依存の仕方は異常に見られるが、誰かのために一喜一憂したり、今の関係が壊れるくらいならこのままでいいと思ったり、それを誰かに分かってほしいわけでもないけどどこかで共感してほしい、みたいな誰もが一度は経験したことあるような感覚を、この映画を通じて共感へと導いてくれるのだと思う。

引用元:公式サイトより

見どころ

僕はこの映画の本当の主人公は、若葉竜也が演じている「ナカハラ」だと思っている。
ナカハラはテルコの親友の葉子(深川麻衣)のことが好きで、葉子に対して無償の愛を提供している。
そんな葉子はナカハラのことはなんとも思っていない。
言わばテルコとマモルの関係に似ており、テルコとナカハラは同士のような存在であった。
そんなナカハラがある日、突然テルコに葉子のことはもう諦めるという。
突然のことにテルコはナカハラを問い詰めると、「葉子さんをそうさせているのは僕のせいだ」といった。
ナカハラがなんでも葉子のいうこと聞くから、葉子は何が悪いことなのか分からなくなっているというのだ。

このシーンを観てハッとする人も多いのではないかと思う。恋愛はどちらか一方が幸せならそれでよいはずがない。
ナカハラは自分の気持ちよりも相手のことを考えて、諦めることを選んだのだ。
そしてナカハラの口から「愛ってなんなんすかね」と言葉が漏れる。
タイトルでもあるこのセリフを、テルコではなくナカハラに言わせたのは、原作者、あるいは今泉監督はナカハラのことをどこかで主人公的な存在として扱っていたのではないだろうか。

引用元:公式サイトより

まとめ

多分、恋愛も映画も人それぞれの解釈があって、本当のところ自分の意見なんて他人には分かってもらえないのだろうけど、共感してくれる人が一人でもいたらいいなって思う。そんな気持ち。
映画と恋愛ってなんだか似ているのかもな。愛って何なんだろうなぁ。

作品・ポスター画像:(C)2019映画「愛がなんだ」製作委員会

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愛がなんだ

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