青春恋愛映画の名手三木孝浩監督と、「ストロボ・エッジ」や「アオハライド」と並ぶ青春恋愛漫画の2度目のコラボが実現した「思い、思われ、ふり、ふられ」。
本作を見ての感想を綴っていこうと思う。
☆音声版コンテンツ
「思い、思われ、ふり、ふられ」の作品概要
本作は、2020年の8月に東宝配給で劇場公開された作品。
出演者は「君の膵臓を食べたい」でも共演経験がある、浜辺美波と北村匠海に加え、第8回東宝シンデレラオーディションでグランプリを受賞した福本莉子、仮面ライダービルドにて仮面ライダークローズを演じた赤楚衛二の4人が主演となっている。
監督は、恋愛映画の名手でもある三木孝浩さんが監督を務めている。
僕はデビュー作である「ソラニン」のころから三木さんの作品の色味や雰囲気がとても好きで、本作も青春映画の淡い感情にマッチした色合いが非常に素晴らしいと思う。
Wikipediaによると、廣木隆一、新城毅彦とともに「胸キュン映画三巨匠」と呼ばれることもあると記載されている。
本作は、過去に映画化もされている「ストロボエッジ」や「アオハライド」の作者でもある咲坂伊緒の同名漫画を原作としている。
余談だが、僕は漫画を読むことも好きで、少女漫画もたくさん読んできたが、咲坂伊緒の作品に出会ったのがきっかけで少女漫画を読むことになったと言っても過言ではないほど、咲坂伊緒作品が好きである。
特に「アオハライド」に登場する洸よりイケメンなキャラクターはいないと思っている。
あらすじ
朱里(浜辺美波)と理央(北村匠海)が、親の再婚により兄弟になる。
だが、理央は中学の頃、朱里ことが好きだったという過去がある。
一方、同じマンションに住む由奈(福本莉子)は理央に恋心を抱いており、由奈の幼馴染である和臣(赤楚衛二)は朱里に惹かれていく。
そんな朱里も、いつも自信満々な和臣に次第に惹かれていく。
同じマンションに偶然出会った4人の恋心が複雑に絡み合いながら物語は進んでいく。
果たして、それぞれの恋の行方は。。。?
見どころ
本作の見どころは、なんといっても三木監督が作り出す、淡い色使いだと思う。
特に学園祭のシーンがカラフルな色遣いが印象的で、理央と由奈の印象的なシーンがあるのだが、美術と映像、演出が相まって、本当にきれいで美しいシーンになっていた。
「くちびるに歌を」の長崎県の風景も本当に素晴らしかったが、三木さんの作り出す映像美は本当に綺麗で素晴らしい。
三木さんはソニーミュジック時代にオレンジレンジやいきものがたりのミュージックビデオを撮影していた過去があり、その影響なのか映像美にこだわりを感じられる。
学生時代の恩師で脚本家の金子ありささんという方がいるのだが、その金子さんが担当される作品と、三木さんが担当する作品のプロデューサーが同じで、聞いた話であるが、三木さんは女優さんの肌が一番きれいに映る冬の時期に撮影するらしい。
そういった制作陣の思いが、映像美を通じて伝わってくる。
また、若者ならでは悩みをテーマにしている点も重要である。
恋、友情、夢、親との衝突は学生ならではの悩みであり、だれもが通ったことのある道ではないだろうか。
和臣は将来、映画関係の仕事をめざしたいと思っているけど、そんなことは親に言えずにいて、その姿が高校時代の僕に重なる部分もあった。
そんなテーマを織り交ぜながら、物語が進んでいく中で、僕自身も当時のことを思い出したり、懐かしんだりでき、青春映画を観るなかでそういった感情になれるのも魅力である。
まとめ
こういった青春恋愛映画を共感ではなく、懐かしみや憧れという気持ちで観るような年齢になったことは寂しかったけど、夢や恋に悩みながら大人の思いに葛藤しながら成長していく姿は、いつみても素敵だと思った。
青春映画を観る醍醐味は、過去を懐かしむことができる点だと僕は思う。
画像引用元:公式ページ
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