心温まるオムニバス映画「阪急電車 片道15分の奇跡」




阪急電車 片道15分の奇跡

公開日:2011年4月29日
監督:三宅喜重
脚本:岡田恵和
キャスト:中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南果歩、谷村美月、有村架純、芦田愛菜、勝地涼

2011年に公開された本作。Netflixで配信しており、ずっと気になっていてやっと鑑賞できた。
「図書館戦争」でも名の知れている有川浩の「阪急電車」が原作の映画である。
監督は本作が映画監督デビュー作となった、関西テレビ制作部の三宅喜重が務めている。関西テレビの社員が映画監督になるのは、本作が初めてのことだったらしい。
また、フジテレビ系列(FNN系)である関西テレビと、日本テレビ系(NNN系)である讀賣テレビが共同で製作に関わっており、系列が異なるテレビ局が製作に関わったのも本作が初めてのことだった。
脚本は連続テレビ小説「ちゅらさん」や「ひよっこ」でも知られている、岡田恵和が担当している。

内容

この作品は、阪急電鉄今津線の西宮北口駅から宝塚駅までの8つの駅を舞台とし、7人のメインキャストの物語を中心にし、それぞれの停車駅を舞台に物語が織りなされている。
西宮北口駅から宝塚駅までが14分程度ある為、「片道15分の奇跡」というサブタイトルが付けられている。
7人の主要キャストは、中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南果歩、谷村美月、有村架純、勝地涼であり、主要キャスト含めて沢山の阪急沿線の出身者が出演している。

物語は、人々が普段抱えている誰にも言えない恋愛、友情、将来の悩みや不安を、それぞれのキャストを中心にハートフルに描かれてている。

恋愛パートは、結婚目前に彼氏を寝取られた中谷美紀、暴力彼氏から逃れられないでいる戸田恵梨香、年上彼氏の優しさにうまく応えられない有村架純。
友情パートは、大阪おばちゃんの強引さになじめない南果歩、特有の趣味を持つためにスクールライフを満喫できない谷村美月と勝地涼。
将来パートは、大学受験に悩む有村架純。
そして、宮本信子の物語がそれぞれの物語を橋渡ししていいる。

設定はフィクションならではのものもあるかもしれないが、一度は通ったことのあるような誰にでもある悩みを描いているので共感できる人も多くいると思う。
そんな人たちを応援しているような映画でもある。

見どころ

個人的には中谷美紀の物語が好きであった。

高瀬翔子(中谷美紀)は彼氏と結婚目前であったが、突然彼氏から他の女を紹介され別れを切り出される。
別れる条件に結婚式に招待するようにといい、結婚式ではタブーな純白のドレスで会場に現れる。
しかし、子供の何気ない一言で張りつめていた気持ちが一気にはじけ、電車の中で涙してしまう。
その電車に乗り合わせていたのが、萩原時江(宮本信子)であった。
時江の優しさと厳しさに触れ、「小林」という駅で休むように勧められる。
それから数か月、翔子は小林駅の周辺で暮らすようになる。
ある日、仲間外れにされている少女を見かけ優しく声をかける。その少女が昔の自分に似ていたのだ。
翔子の言葉に救われる少女。
そこで翔子の物語は完結する。

一人の登場人物を通じ、一人の人生の成長をみられること、一人の人が幸せになっていく過程をみれることは映画からうける感銘の中でも大事なことだと僕は思っている。
そういった物語がこの映画には7人分もあるので、幸福感も多くある。

正直、僕はこの路線を利用したこともなければ存在すら知らなかった。
他の方のレビューを読んでいると、実際に利用していた人が当時を懐かしんだり、上京時の思い出を語っている人もいた。
そういった方にとっては、共感できる部分も多く、より心温まる物語になっているのだと思う。
実際、舞台となった阪急今津線沿いにあるTOHOシネマズ西宮OSでは、興行47日目時点で動員数7万6,346人を記録し、
同館においてそれまでトップだった「アバター」での全116日間で7万6,029人という記録を超えたという記事もあった。

まとめ

音楽や映画、本や小説はどこか違う世界に連れて行ってくれるものだと僕は思っている。
その世界が自分の思い入れのある場所や空間にあるというのは、どこか嬉しくもあり、沢山の共感を生むのではないだろうか。
片道15分のローカル線という地元の人には特別な場所が、映画の中の空気感からも伝わってくるような気がする。
スタッフ、キャスト含めて関西出身の方が多いことも、この映画の空気感を作ることに重要になってきていると僕は思う。

新型ウイルスの影響で疲弊している今、心温まるストーリーに癒されるのはどうでしょうか。

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阪急電車 片道15分の奇跡

作品・ポスター画像:(C) 「阪急電車」製作委員会

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